先端穴の加工方法について
ノズルの先端は使用環境や使用用途によって、穴径が異なります。例えば、吸着ノズル・吸着コレットは吸着する部品の大きさによって穴径は変わりますし、噴射ノズルは噴射量によって穴径は変わります。加えて、使用する材質によって、適さない加工方法もありますので、求める機能に合わせたノズルを設計するためには、穴径ごとの加工方法を押さえておく必要があります。ここでは、ノズルを設計されるエンジニアの皆様に参考にしていただけるよう、ノズルの先端穴の加工方法についてお伝えします。
先端肉厚が薄いノズルを設計する場合
例えば、先端肉厚が0.8mm以下の薄肉ノズルの場合、ドリル加工では真円度が変形するまたは膨れることがあります。そのため、0.8mm以下の薄肉ノズルを設計する場合は、加工方法として細穴放電加工とワイヤーカット放電加工を選択します。加工方法としては、まず同時加工で外径の中心度を決め、そして先端部と入口部の中心を合わせて加工します。
穴が深いノズルを設計する場合
塗布する場所によって、先端部の長さは変わります。当然、正確に塗布するためには、塗布する場所に出来る限り先端を近づける必要があります。先端の長さは最低深さ以上にしないといけませんので、塗布する場所の幅が2mm、深さ3mmの場合には、先端径φ2mm未満かつ先端長さ3mm強に設定しなければなりません。加工に関しましては、ノズルの先端長さを3mm強に設定しているため、穴径φ0.5mm以下の場合、ドリル加工では折損する可能性がありますので、その場合にはパイプ電極を活用して、細穴放電加工機で加工をします。